マルタからギリシャへ。ペロポネソス半島・ピロス
天候には従順です。
マルタを出発の時は、クレタ島西部のカニア(Khanio)を目的地としてました。
距離約480NM 4日かかる。当時期の風向は統計では、北西~西が卓越していると。
最初の3日間は計画通り順調。クルーもノンビリ。後約120NM・1日程で目的地。
クルーにとっては最初の試練。夕方から風は前に変わり、段々と強くなる。スケが暫く休んでいる間に風も強くなる、波は厳しくなる。クルー3人で頑張っている。起きて直ぐ、2段リーフ(縮帆)で暫く様子を見る。
以前読んだ、この海域で遭難の記事が浮かぶ。ウネリは大西洋など大海ほど大きくないが、一旦風が吹き始めると、波はシャープで、大海の波より力強い。小型の船には大変危険であると。
ホメロスの詩に依れば、オデッセイもイタケーへ帰る途中、嵐に遭い、シチリー島方面へ流された?
リーフでタック(方向の切り返し)、上り(風上へ)は、ハンマーリング(波で船体を叩く)が厳しく、乗り心地は最低。
この風は最低4~5日続くであろう。エーゲ海を左回りにクルージングにこだわる必要はない。ペロポネス半島はかって、海のシルクロードであった。興味ある地も多い。
より安全、少しでも不快でないセーリングへ。推測で針路変更。 目的地をペロポネソス半島南西、ピロスへ変更。明日の午後にはピロスに着ける。後の計画はゆっくり決めよう。
ピロス:Pylos/Pilos ・Navarinon 湾内の南海岸にあります。
この湾は19世紀の The Battle of Navarinon で有名です。
ギリシャの独立国家となる原因の戦いです。この湾内の海戦で沈んだ軍艦が、現在でも湾の底に眠っています。
最近、港が良く整備され、訪れる船も増えています。
タカマミは小さくしたセールに風をはらみ、横の動きを押さえ、ハンマーリング(波で船体を叩く)も少ない。風が強くなったが、3段までリーフ(縮帆)にハンカチほどのジブ、順調にピロスへ向かい到着しました。
湾口には、ベネチア人が築いた城跡が待ってました。良く保存され、昔の歴史、繁栄を伺わせます。
ペロポネソス半島、南部。
注:広い海域の地図については、’エーゲ海・トルコ’海域ページで願います。
周囲は水平線だけの日が続きます。その水平線へ夕日が沈みます。
この様な海況ですと、適当なスピードも出るし、セーリングは順調です。
太陽の昇るのも、雲がなければ、水平線から。
我が名はタツ。
日の出る国、西の方。産湯は瀬戸の海水よ。ヨットが跳ねまわる? わての生まれは午齢よ!
頼りになる?
2度も大学入学したが、ヨットの旅が大好きで、2度も退学食らった娘。今はヨット大学、修士課程。
わての名前はミーコよ~。
調子よくおしゃべりしてるのは、今だけだ!
注:この後、段々と風向が変わり、強くなる。
夜のセーリングは俺だけで十分よ!
サロンで睡眠。クルージング中は、ベッドなんて不要だよ。此処だと、コックピットから声が掛かれば10秒で応援。
操舵で疲れ、お疲れさん。
前からビデオ。後ろからカメラ。 次の日から嵐!
あと1日でギリシャ。ポセイドンの意地悪か?風向きは前へ、強さを増す。
飛沫はサロンを打ち、とび跳ね、飛び越えて行く。
縮帆して、コース変更、目的地変更は正解でした。この強い風は5日続きました。
右古城の跡が。
ベネチア人が築いた、要塞の跡も、保存良く。
ピロスの突堤、家並みが見えてきました。
湾の内、長い突堤の内側へ。雲行きが、ますます怪しいです。
水補給のバージに横着けです。
この小さいヨット。 ドイツから。若人のシングルハンダー。 ジブラルタルへ行き、大西洋を横断してアメリカへ行くとか。
突堤の端。何処でも釣り人がいます。この人、チヌを釣り上げていました。
湾の中に、軍艦も嵐を避けて、入って来ました。
この湾内の海底には、150年以上も前、湾内で行われた海戦の時の沈没船が多数沈んでいます。
少し奥へ行くとこの様です。街並みも。
尋ねたCIQ事務所は?個人住宅2階の1室でした。ギリシャ入国手続き問題なし。当然とはいえ、ホットしたスケ。
この様な憩いの場所、良いですね。
よく揺れたね~。 元取らなくちゃ~。
声が聞こえましたよ~。
又又始まってます。 スペイン、イタリー、チュニジア、マルタこの2人何語で話してるんだろう?
おめー達、何処から来たの? 何処の国でも、子供は興味深々。
雲は垂れ込め。一段と悪天候。天気には従順でなくては。
湾の出入口に寄った所にホテルが。クルー連中はテラスでの喫茶を企んでる様子。
要塞へ遠足。
この人叫んでました。
お願い、門を開けて下さい! 反応なしです。
要塞の側で湾をバックに。
ホテルのテラスから。 長い突堤の内側、先端に近い所へ係留してます。
これがあるから、嵐の時も、皆へ、ホットミールを出せるんだよ!
ミルクティー お代わり!